知りたい! 北辰偏差値のヒミツ
テストの結果から知りたいこととして、次のようなことが思い浮かぶのではないでしょうか。
1.得意教科と不得意教科の差はどれくらいあるのか?
2.今までの頑張りで、どれくらい伸びたか?
北辰テストの結果は、得点だけでなく「北辰偏差値」でも表しています。テストで知りたい2つのことを、この「北辰偏差値」でなら、正しく知ることができます。
では、これから偏差値のヒミツをご紹介していきましょう。
◆偏差値のヒミツ
●得点だけではダメ?
例えば、100点満点のテストで70点を取ったとして、平均点が40点だとするととてもいい成績だと感じます。でも、もし平均点が60点だとすると、同じように「よくできた!」とは感じられません。このように、平均点が違うと、得点からだけでは学力を正確に知ることが難しいのです。
●平均点が同じでも?
こんな場合を考えてみましょう。「タロウ君のクラスは20人、あるとき国語と数学のテストが行われました。どちらも1問10点×計10問=100点満点のテストで、クラスの平均点はどちらも60点、タロウ君の得点はどちらも70点でした。」
ここで、このクラスの20人を、国語・数学それぞれについて得点別の分布にしてみました。
同じ平均点のテストでも、ずいぶん様子が違ってみえますね。
それに、タロウ君の位置に注目してみると、国語では上位から3番目、数学では上位から7番目にあたる成績となっています。タロウ君の両教科の得点は同じでしたが、こうしてみると全体の中では国語の方がよい成績だったとわかります。テストでは、全員の得点の分布がいつも同じというわけではないので、平均点が同じでも、得点だけではやはり学力を正確に知ることは難しいのです。
≪ここで注目!≫タロウ君の例のように、「全体の中で、どのあたりに位置する成績なのか」ということに注目すると学力が比べやすくなります。実は、このことを数値に表せるのが「偏差値」なのです。
◆偏差値ってどんな数値?
「偏差」というのは、平均からどれくらいかたよっているかという意味です。つまり、「偏差値」というのは平均点からの偏差(かたよりぐあい)によって全体での位置を表している数値です。偏差値は、平均点の位置を50として、平均より上の得点なら50より大きくなり、下の得点なら50より小さくなります。
実際に、タロウ君のテスト結果を偏差値で表してみましょう。
こうして見ると、タロウ君はこのテストでは国語の方がよくできたとはっきりわかります。
偏差値を求めるには、次の公式を使います。
この式の標準偏差というのは、得点のばらつきぐあいを表す尺度で、次の公式で求められます。
タロウ君のクラスのテストについて、得点分布から実際に計算してみると、次のようになります。
国語のように分布の幅が狭い場合は小さい数値に、数学のように分布が広いと大きい数値になっていることがわかりますね。
この標準偏差の値から、タロウ君の国語の偏差値は次のように求められます。
このように、標準偏差の大小に表されるような、テストごとの得点分布のばらつきを考慮して、ほぼ全員の数値が50を中心に25~75位の幅に入るように導き出したのが「偏差値」なのです。
◆北辰偏差値はいつも同じ基準!
「偏差値」は平均点・受けた人数・得点分布のかたよりぐあいによって計算されています。「でも、テストは毎回同じ人が受験するとは限らないし、同じ人数が受けるとも限らないから、いくら偏差値が全体の中での位置を示すといっても、対象となる"全体"がテストによって変わってしまったら同じ基準とはいえないのでは?」という心配もあるかと思います。でも、大丈夫! このような心配も、北辰偏差値なら必要ありません。
北辰図書ではこれまで72年にわたって実施してきた北辰テストのデータを蓄積しています。その膨大なデータと培ってきたノウハウから、埼玉県の同学年全員が受験した場合の平均点を推定しています。ですから、いつでも同じ基準で偏差値を算出できます。北辰偏差値が50なら、それは埼玉県の同学年全員のちょうど真ん中の成績ということになります。
北辰偏差値は、変わらない「学力のものさし」。北辰偏差値なら、常に、埼玉県全体の中での学力レベルを正確にはかることができるのです。
◆北辰偏差値を活用する
●教科の比較から弱点教科をみつける
得点だけではわからない教科のできぐあいの比較は、北辰偏差値におまかせください。下の例では得点からでは数学が弱点のようにみえますが、北辰偏差値をみれば、英語に力を入れる必要がありそうだとわかります。
●各回の比較からどれくらい伸びたかを確認する
得点でみると成績にムラがあるようにみえますが、北辰偏差値からみれば、埼玉県全体の中での位置が着実に伸びていることがわかります。このように、北辰偏差値なら学力の相対的な位置の変化がはっきりわかります。また、偏差値の低かった回は、苦手な分野が出題されていたとも考えられます。
◆継続的に北辰テストを受けて、北辰偏差値から相対的な位置の変化をみていきましょう
学力は変わっていくもの、日ごろの頑張りでどんどん伸びていくものです。ですから、学力の相対的な位置の伸びや変化を正確に知ることが、次の目標を立てるのに役立ちます。北辰偏差値で、定期的に、しっかりとチェックしていきましょう。
それに、1回だけのテスト結果で全てを判断するのは危険です。たとえ結果がよくても、たまたま得意なものばかりが出題されたためかもしれません。反対に結果が悪かった場合でも、ケアレスミスが多かったのかもしれませんし、体調が悪かったため実力が発揮できなかったのかもしれません。続けて結果をみていくことがやはり大切なのです。
北辰テストで自分の弱点をみつける。みつけた弱点はすぐに克服の対策を立てる。学習の成果を次の北辰テストで確認。さらに次の目標に向かって努力する……北辰偏差値を使いこなして、学力アップをめざし、夢をかなえましょう。